Do not kill anywhere anytime 市民の意見30の会 東京

新型コロナ特措法による緊急事態宣言に反対します

2020

03/16

声明


権力集中、人権制限の「新型コロナ特措法」による緊急事態宣言に反対します


2020年3月16日
市民の意見30の会・東京


3月13日、安倍政権は新型コロナウイルス感染症を対象とする「新型インフルエンザ等対策特別措置法」を、衆参併せてわずか7時間あまりの国会審議で可決しました。野党では、本会議を欠席した議員が数名いましたが、反対した議員は衆議院が14名、参議院が18名です(共産、れいわ、立憲民主、碧水会、沖縄の風)。

市民の意見30の会は、新型コロナ特措法の成立に反対し、政府が緊急事態宣言を発令しないことを求めます。

新型コロナ特措法の「緊急事態宣言」の要件は①国民の生命、健康に著しく重大な被害を与える恐れ②全国的かつ急速な蔓延で国民生活や経済に甚大な影響を及ぼす恐れの2件で、それを満たせば、安倍首相が「緊急事態宣言」を発令できます。いったん緊急事態宣言が発動されれば憲法が保障する移動の自由、表現の自由、私有財産の制限などの人権制限が可能です。構成要件が曖昧なまま首相の独断で発令されてはたまりません(改正特別措置法の今回の適用期間は2021年1月31日まで)。

私たちが注視し問題にしなければならないことは、安倍政権は2月以降、新型コロナウイルスの感染症対策で法的根拠もなく緊急事態宣言に匹敵する決定を独断で行い、社会の不安・混乱に拍車をかけてきたことです。

ダイヤモンドプリンセス号での初動態勢の不備、罹患者数の過小発表など、情報を隠蔽してきました。そして2月24日に専門家会議からウィルス対策に向けた基本方針の見解が出ると、教育現場や関係省庁に相談もなく独断で、 イベントの自粛要請、小・中・高・特別支援学校の全国一斉休校要請、不十分な休業補償対策などを決定しました。市民の不安、危機意識に韓国人・中国人の入国禁止措置などでヘイト感情を煽り、日常生活・生産活動を制限・管理し、野党、自治体、マスコミまで抱き込みました。

しかし、大規模イベントの自粛、中止が相次ぐなかでオリンピックだけは決して中止、延期とはいわないのです。「福島はオリンピックどころでねエ」という福島県民の声がきこえないのですか。

このことから今回の「コロナ特措法」は、手続きや法秩序を一切無視した安倍首相の「独断」から生じた社会的混乱に対処するため、急遽、「旧特措法」を改正して「根拠」を与えるようにしたとしか思えません。その意味では与野党ともに政権へ忖度していると言っても過言ではないでしょう。

コロナウイルス感染症がパンデミックに指定されたこともあり、「コロナ不況」は拡大の一途です。問題は、経済、生活への影響が相次ぐ非正規雇用労働者、個人事業主、フリーランスの就労者、高齢者、一人親家庭などの生活と生存を脅かしていることです。安倍政権の経済対策はこの後におよんでも格差と分断をもたらすものでしかありません。香港政府は18才以上の市民一人あたり14万円の給付金の支給を決定しました。社会的弱者に対する普遍的な現金給付など、企業・事業主単位ではなく、個人補償を基本にすべきです。

私たちは、政府による「緊急事態宣言」を拒否し、情報を隠蔽・改ざんすることなく公開することを求め、今回の政府の要請で多大な被害を受けた社会的弱者への補償を要求します。

 

以上