日本を変えよう。市民の意見30
「強者」の政治から「弱者」の政治へ 30の提言
私たち市民が求める日本は、弱者がいじめられないで生きてゆける社会。世界も同じ。 見せかけの繁栄はもうたくさん。その基本あって、年とった人も若い人も、女も、男も、 陣害をもった人も、外国人も、誰もが、国の内外にわたって、自然をだいなしにせず、 おたがい差別されず、支えあいわかちあい、おたがいの生命(いのち)を大事にして、 自由、平等、平和に生きてゆける−−その社会の実現にむかって、私たちは骨太にまず 次のように考える。
- 自然破壊はもうたくさん。この社会を「核」のない社会にしよう。そのための手だてをつくそう。核兵器も原発も、核燃料再処理工場もいらない。再処 理工場の建設はやめよ。非核3原則の厳守。
- いのち・健康をおびやかす農薬、医薬品、食品添加物、合成洗剤、化学物質などを、 つくるな、つくらせるな、使うな、使わせるな、捨てるな、捨てさせるな。国や企業は 公害の責任をとれ。公害病認定の打ち切りなどもってのほか。
- 障害者が共生・自立できる制度をつくれ。共生・自立をさまたげるな。
- 病気で寝ている人がいる。難病で苦しむ人がいる。寝たきり老人がいる。 介助・看護・へルパー制度の充実など、みんなが安心して暮らせる社会保障、医療制度の 確立を。
- 優生保護法を改悪するな。遺伝子操作に歯止めをかけろ。先端医療の暴走を許すな。
- 大国は食料を一人じめするな。自給できる日本をめざそう。減反政策はやめろ。 「何をつくるか」に国は口をだすな。「外圧」に押された農産物の「自由化」はするな。沿岸や川の漁業をよみがえらせろ。
- 土地はだれのものでもない。安く快適に住める公的住宅を、街なかにたくさん建てろ。借地・借家法を改悪するな。老人・弱者もいっしょに住める街をつくろう。
- 労働時関の大幅な短縮を。国籍、出自、性、年齢、学歴、障害・疾病の有無などによって雇傭・賃金の差別をするな。全国一律最低賃金制の確立を。
- 企業は専制君主ではない。企業の独占的活動に対するチェック機関の樹立。企業の政治献金の禁止。企業は戦争の道具をつくるな。
- 交通・運輸・通信が儲け第一の「民営」では困る。利用する人、そこで働く人の身になって、JR、NTTなどを「みんなの公営」にかえろ。
- 企業への優遇税制はやめろ。「兎小屋」から固定資産税を取るな。消費税など大型間接税はやめろ。株の売買益などキャピタルゲインヘの大幅な課税を。税金の行方を見定められる制度をつくれ。
- 地方自治体の決定を、国はさまたげるな。巨大自治体は分割し、人ぴとの声がとどく大きさにせよ。
- からだが弱い子、不自由な子、テストの点数の悪い子などを、差別・隔離する教育はやめろ。管理教育はやめろ。内申書制度・共通一次試験はやめろ。教科書検定はやめろ。教育委員の公選制を実施せよ。文部省はいらない。
- 被差別部落,少数民族などに対する結婚・就職・賃金その他一切の差別を許さない。するな、させるな。
- 女を低賃金でこきつかうな。売るな、買うな。強姦するな。男はいばるな。
- 指紋制度はすぐやめろ。外国人定住者に、日本人と同じ社会保障、就職の機会、自治体選挙での選挙・被選挙権をあたえろ。外国人学校に日本人学校と同じ保障をせよ。日本は難民を受け入れよ。
- 死刑制度は廃止せよ。拷間は許さない。「拘禁2法」はやめろ。
- 陪審制をつくれ。検察側の上訴権は廃止せよ。裁判所は捜査・逮捕令状を乱発するな。最高裁の裁判官は「罷免」とともに「選任」をも国民投票に付せ。
- 警察や検察・公安機関は権力を濫用するな。やたらな職務質問や検問、別件逮捕、盗聴をやめろ。暴力や脅迫による言論の封殺を許すな。市民による行政監察制度をつくれ。
- 機動隊と公安警察を廃止せよ。警察官はピストルを外し、名札をつけろ。警察官・刑務官・自衛隊員・消防署員に、労働者としての団結権を与えろ。公安委員の公選制を実施せよ。
- 言論機関は政府広報という名の「政府宣伝」を拒否せよ。被疑者、容疑者、参考人などの名前・写真を公表するな。ただし、権力者犯罪については徹底的に報道せよ。また、皇室報道はふつうのことばでせよ。
- 「元号」「日の丸」「君が代」さらには「天皇」の押しつけはごめんこうむる。位階勲等、叙勲制度はもうやめろ。
- 靖国神社の国営化はもとより、伊勢神宮・靖国神社への公式参拝、鍍魂碑の公的建立はゆるせない。天皇家の行事の押しつけなどもってのほか。
- 国・地方の政治に秘密はいらない。行政機構の徹底した情報公開。「国家秘密法」などとんでもない。国民総背番号制はいらない。戸籍制度をはじめとして国の管理はもうたくさん。
- 選挙区の定数是正をはじめ、選挙制度を民主主義の基本にもとづいて見直せ。選挙権を18歳からにせよ。
- 憲法第九条の実現をめざせ。まず日米安保条約をやめ、米軍基地を撤去し、軍事予算を削減し、自衛隊をなくせ。
- アジア、第三世界の人びとのくらしを破壊し苦しめるだけの援助・開発・投資をやめろ。アパルへイト政策をとる南アフリカとの貿易はやめろ。
- 非同盟路線をとって、すべての国と友好関係をもち、特定の国を敵視するな。まず朝鮮民主主義人民共和国と国交を結べ。日米・日ソの間に平和・友好条約を結ベ。
- 戦争の後始末はすんでいない。国の内外にわたって苦しんでいる人はあまたいる。彼らへの補償を。日本国家と指導者の戦争責任を市民の手で追及しよう。
- 国の強権による土地接収、開発に反対したり、企業による自然破壊や公害、生命・健康に対する危険などに抵抗している各地の市民、住民運動を支援し、連帯しよう。
“くらし”を変える、“政治”を変える。“私”が変わる、“私たち”が変わる。強者の政治から弱者の政治へと、 新しい日本につくりかえるための市民の網の目をつくりだそう。
『強者の政治から 弱者の政治へ』日本を変える30の提言(第三書館)から
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